■~男性更年期障害について~
こんにちは!高知市の島崎クリニックの院長島崎です。
なんだか最近、疲れやすい、やる気が出ない、眠れないといった症状に悩まされていませんか?「年のせいかな…」と諦めていませんか?もしかしたら、それは「男性更年期障害」かもしれません。男性更年期障害は、男性ホルモンであるテストステロンの減少によって引き起こされる、心身の不調です。
この記事では、男性更年期障害の症状、原因、診断方法、そして治療法について、皮膚科医としての視点を交えながら、わかりやすく解説します。この記事を最後まで読んでいただくことで、男性更年期障害についての正しい知識を身につけ、ご自身の不調がどこから来ているのか、どうすればいいのかがわかるようになります。
特に、ご自身だけでなく、最近元気がないと感じるご家族、特にご主人をお持ちの方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
男性更年期障害とは?テストステロンが鍵を握る
男性更年期障害は、医学的には**LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)**と呼ばれます。女性の閉経のように急激にホルモンが減少するわけではなく、加齢に伴って徐々に男性ホルモン(テストステロン)が減少することで、心身にさまざまな不調が現れる状態です。
男性ホルモン(テストステロン)の働きと役割
テストステロンは、思春期以降、男性の身体と精神の健康を維持するために欠かせないホルモンです。具体的には、以下のような重要な役割を担っています。
-
筋肉や骨を強くする: テストステロンは、筋肉量や筋力を維持し、骨密度を高めて骨粗しょう症を予防します。40代を過ぎると、筋力の低下を感じることがありますが、その背景にはテストステロンの減少があることが多いです。
-
性機能の維持: 性欲や勃起機能を正常に保ち、男性らしさを保つ上で重要な役割を果たします。性欲の減退は、男性更年期障害の代表的な症状の一つです。
-
精神状態の安定: 気力の低下や意欲の喪失、イライラ感、抑うつ気分など、精神的な不調にもテストステロンは深く関わっています。私自身の経験から言いますと、患者さんの中には、皮膚トラブルだけでなく、漠然とした不安感や疲労感を訴える方も多く、テストステロンの低下が関係しているケースも少なくありません。
-
生活習慣病の予防: 肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病など、生活習慣病のリスクを軽減する働きがあります。
男性更年期障害の代表的な症状
男性更年期障害の症状は多岐にわたりますが、大きく分けて3つのカテゴリに分類できます。
精神・心理的症状
精神的な症状は、身体的な症状よりも気づきにくい場合があります。しかし、放置すると日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
-
集中力の低下: 仕事や趣味に集中できなくなり、ミスが増える。
-
意欲の喪失: 今まで楽しめていたことに興味を失い、新しいことに挑戦する気力がなくなる。
-
イライラや抑うつ: 些細なことでイライラしやすくなり、気分が沈みがちになる。
-
不眠: 夜中に何度も目が覚めたり、なかなか寝付けなかったりする。
身体的症状
身体的な症状は、自覚しやすいものが多く、日々の生活の中で不調を感じる原因となります。
-
筋力や体力の低下: 以前より疲れやすくなり、運動してもなかなか筋肉がつかない。
-
性機能の低下: 性欲の減退や勃起不全(ED)など、性生活に関する悩みを抱える。
-
発汗やほてり: 女性の更年期障害と同じように、突然の大量の汗や顔のほてりを感じる。
-
関節痛や頭痛: 原因不明の関節痛や慢性的な頭痛に悩まされる。
泌尿器科的症状
泌尿器系の症状は、特に中高年男性に多く見られるため、他の病気と間違われることもあります。
-
排尿障害: 頻尿、残尿感、尿の勢いが弱いなど。
-
夜間頻尿: 夜中に何度もトイレのために起きる。
男性更年期障害の診断方法と治療法
男性更年期障害は、専門医による適切な診断と治療が必要です。自己判断せずに、まずは医療機関を受診することが大切です。
診断方法
診断は、以下のステップで行われます。
-
問診: 患者様の症状や生活習慣について詳しくお聞きします。特に、AMS(Aging Males’ Symptoms)スコアという質問票を用いることで、症状の重症度を客観的に評価できます。
-
血液検査: 血中の総テストステロン値を測定します。この数値が低いと、男性更年期障害と診断される可能性が高くなります。私のクリニックでも、皮膚トラブルの背景にホルモンバランスの乱れがないか確認するために、男性患者様にはテストステロン値の測定を勧めることがあります。
主な治療法
診断の結果、男性更年期障害と確定された場合、主に以下のような治療が行われます。
-
テストステロン補充療法: 減少したテストステロンを注射やゲル剤で補充する治療法です。この治療は、症状の改善に非常に効果的です。ただし、前立腺がんや睡眠時無呼吸症候群などの持病がある場合は慎重な検討が必要となります。
-
漢方薬: 症状に合わせて、当帰芍薬散や補中益気湯などの漢方薬が用いられることもあります。テストステロン補充療法と併用されることもあります。
-
生活習慣の改善: 適度な運動、バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスの軽減は、テストステロン値を自然に高めるために非常に重要です。
まとめ
男性更年期障害は、決して特別な病気ではありません。加齢に伴う自然な変化の一つであり、適切な治療によって症状は改善します。高知市で地域医療に貢献するクリニックとして、私たちは、男性の皆様が抱える「男性更年期障害」に関するお悩みを真摯に受け止め、最適な解決策をご提案したいと考えています。
「最近、どうも調子が出ない…」と感じている方は、ぜひ一度、当院にご相談ください。もちろん、ご家族の方からのご相談も大歓迎です。本記事をお読みいただきありがとうございます。何かご不明な点や、お悩みがございましたら、高知市の島崎クリニックにお気軽にご相談ください。