■ほっと高知8月号~アトピー性皮膚炎について~
アトピー性皮膚炎はアレルギー体質、皮膚のバリア機能が低下した敏感肌質といった原因から痒みを伴う湿疹が繰り返し出現する病気です。アトピー性皮膚炎の患者さんの約80%が乳幼児期に発症し、成長とともに軽快し、大人になるとほとんどの人の症状は落ち着きます。乳幼児では卵、ミルクなどの食物アレルゲンの関与がある程度みられ、乳幼児以降ではハウスダスト、ダニなどの環境アレルゲンの関与がみられ、その他すべての年齢層で汗、乾燥、ひっかき、日光、温熱、ストレスなどが悪化因子になりうるとされています。治療は「適切なステロイド外用剤使用による皮膚の炎症の抑制」、「抗ヒスタミン薬などの内服や生活習慣の是正による痒みの抑制」、「皮膚のバリア機能を補正する保湿剤によるスキンケア」を三本柱とし、最近ではアトピー性皮膚炎を引き起こす炎症性サイトカインを抑える外用剤や内服薬、注射薬が開発され、副作用が少なく効果があると期待されております。アトピー性皮膚炎は体質が主原因ですので、良く眠れて、仕事や勉強ができるといった普通の生活ができることを治療のゴールとして、気長に治療していくことが重要です。