■ほっとこうち3月号~清潔間欠的自己導尿について~
清潔間欠的自己導尿(CIC)とは、患者さん自身が自らの手で尿道から膀胱内に細い管を清潔操作で挿入し、膀胱内に溜まった尿を一定時間ごとに体外に排泄する方法です。現在は脊髄損傷をはじめ、子宮癌・直腸癌などによる骨盤内手術後、髄膜瘤、糖尿病などによる神経因性膀胱や前立腺肥大症などによる尿路通過障害に対して行われています。間欠的に導尿する意義は①膀胱が過剰に引き伸ばされることを予防することで、膀胱の血流低下を防ぐ、②膀胱内を低圧に保つことにより、腎機能障害を予防する、③尿中の細菌の増殖を予防し、炎症の発生を防ぐ、④膀胱の収縮と弛緩を繰り返すことによって、膀胱機能の回復の促進につながる事等があります。CICの実際は、尿意がなく自力排尿不可能の場合は、一回導尿量300ml程度になるように計画的な導尿指導を行い、通常は一日4~5回の導尿が必要になります。CICを会得することによって、患者さんは尿道カテーテルや蓄尿袋から開放されるなどのメリットがありますが、その反面、管挿入時のトラブル、尿路感染症の誘発などのデメリットもあり、個々の患者さんによって適応を検討する必要があります。泌尿器科専門医にご相談ください。