■今月のメディトーク ~円形性脱毛症について~
円形性脱毛症は頭部に円形あるいは楕円形の脱毛班が突然出現する病気で、病変の数、範囲によって単発型、多発型、蛇行型、全頭型、全身の体毛に拡大する汎発型に、病変の時期によって急性期、慢性期に分けられ、範囲が拡大傾向にあり、慢性化したものほど重症化する傾向にあります。頻度は日本人人口の0.1%~0.2%、男女差はなくいずれの年齢でも発症しますが15歳以下が25%を占め、家族内発症の報告もあります。原因は近年、毛根組織に対して自己の免疫機能が異常に作用し発生させる「自己免疫疾患説」が有力で、免疫機能の異常を発生させる要因としては疲労や感染症などの肉体的・精神的ストレスや体質的な素因が言われています。治療は外用剤、内服薬、ステロイド局所注射、局所免疫療法、紫外線治療、冷却療法、ステロイド静脈注射などがあり、状態によってはかつらの使用も勧めます。発症して一年以内の少数の脱毛班の場合、80%が一年以内に回復するというデータもあります、早目に正しい診断・治療を受けることが望まれます。