■2月のメディトーク ~感染性粉瘤について~
粉瘤とは皮下にできる良性腫瘍の一種で、その多くはなんらかの原因で毛穴が本来ものから変化し、中に皮膚の老廃物や汗や皮脂等の粥状物が詰まってできます。粉瘤の中心部にはたいてい皮膚とつながる孔があり、この孔から細菌が侵入して炎症(化膿)を起こすのが感染性粉瘤の原因です。炎症を起こすことで粉瘤やその周辺の皮膚が赤くなり、化膿がひどくなると粉瘤の袋が破壊されて膿がたまった膿瘍の状態となり、腫れて強い痛みを伴います。治療はまず炎症(化膿)を抑えるために抗生剤の投与を考えますが、膿がたまった状態では抗生剤が効かないため、皮膚を小さく切開して膿を出しておきます。これらの処置で炎症が十分に治まってから後日、手術を行います。手術は粥状物がはいった袋ごと取り除く手術になり、単純摘出法とくりぬき法があります。感染性粉瘤は基本的に直ぐに粉瘤摘出手術を行いませんが、切開排膿の際に粉瘤摘出が可能、その後こまめに通院ができるなどの条件によっては当日粉瘤摘出術を行う場合もあります。