■平成30年10月のメディトーク 血精液症について
血精液症とは精液に血液が混じる状態のことを言います。精液の大部分は前立腺と精嚢で作られ、前立腺成分は約20%、精嚢成分は約70%を占めます。その他にも睾丸や副睾丸、精管でも一部作られます。新鮮な血液が混じる場合はピンク色に、古い血液の場合は茶褐色になります。射精した場合、最初に出てくるのは主に前立腺の成分で、それから精嚢の成分が出てきます。そのため、精液のどの部分に血液が混入しているか確認できれば、出血部位がある程度想定することができます。血精液症の原因は不明のことが多く、確認できたもので前立腺・精嚢の炎症、嚢胞、石灰化、尿道ポリープなどの良性疾患が多いと言われています。40歳代以下ではまず前立腺炎などの炎症性疾患が考えられ、40歳代以降では稀ではありますが、前立腺癌や精嚢癌などの悪性疾患も考えられため、注意が必要です。検査は前立腺の触診、超音波検査、場合によってはMRI検査、膀胱尿道鏡検査などを行います。泌尿器科専門医師にご相談下さい。